フィルターユニットは、気体や液体中の異物を除去し、設備や製品品質を守るために欠かせない装置です。工業分野から食品、医療、空調設備まで幅広く利用されています。この記事では、フィルターユニットの基礎から選定ポイントまでをわかりやすく解説します。
フィルターユニットとは、流体中に含まれる固体異物や不純物を除去するために、フィルターハウジング、フィルターエレメント、入出配管を一体化した装置を指します。安定したろ過性能を維持するためには、ろ過精度を損なわないようユニット内部の清浄度を確保することが重要です。
また、ろ過前後の配管径を適切に設計し、差圧を管理しなければなりません。エレメント交換作業を考慮し、十分なメンテナンススペースを確保することも不可欠です。
フィルターユニットの主な目的は、流体中の異物や不純物を確実に除去して流体の品質(純度)を向上させることにあります。導入により製品品質の安定化や工程トラブルの低減が可能です。
また、下流に設置されたポンプや熱交換器、制御機器といった高価な設備を、異物による摩耗や詰まり、損傷から保護する役割も担います。これら一連の働きは、最終的に設備寿命の延長や保守コストの削減につながります。
フィルターユニットを一体化する最大のメリットは、設置や交換作業の容易性にあります。配管接続が簡便になることで、フィルターエレメントの交換も安全かつ迅速な実施が可能です。
また、配管経路の適切な設計をあらかじめ施せるため、ユニット全体の圧力損失を最小限に抑えられます。さらに、ハウジングやエレメント、各種バルブ、差圧計、架台といった主要構成要素をパッケージ化すれば、現場での管理性や信頼性の向上にもつながります。
フィルターエレメントには用途やろ過精度に応じた種類があり、使い分けが大切です。バッグフィルターは大容量の流体処理や粗ろ過(大きな粒子の捕捉)に向いており、主に前処理用として用いられます。対してカートリッジフィルターは、複数の円筒形エレメントによって高いろ過精度を実現し、微細な不純物の除去が必要な場面で真価を発揮します。
また、ストレーナーは一次ろ過として大きな異物を取り除き、下流のフィルターや機器を保護する役割に欠かせません。
気体ろ過は、主に圧縮空気の供給ラインや空調設備、クリーンルームなどで使用されます。圧縮空気中の水分や油分、塵埃といった微粒子を除去すれば、清浄な空気の供給が可能です。このプロセスは、エアシリンダやバルブなどの空圧機器を保護し、装置の寿命延長や安定稼働に大きく貢献します。
また、クリーンルーム空調では塵埃を除去し、半導体製造や医療現場での製品汚染を防止します。活性炭フィルターを用いることで脱臭や空気の精製も可能です。
液体ろ過は、工業用水、飲料水、化学薬品、油圧作動油など、さまざまな液体処理に用いられます。例えば河川水や井戸水、プール水などから不純物を除去すれば、衛生的な水質の維持・向上が可能です。
また、工業プラントでは配管内の錆粉や異物を除去し、ポンプや熱交換器などの精密機器を保護します。食品・飲料や分析分野では製品品質の安定化に寄与し、油圧システムでは作動油中のコンタミを除去して故障防止に役立てられています。
フィルターユニット選定では、まず処理対象となる流体(液体・気体)の必要流量を明確にしなければなりません。ユニットのサイズやフィルターエレメントの本数は、要求される処理流量とろ過精度(ミクロン数)によって決定されます。
大流量用途では、目詰まりによる交換頻度を抑えるため、小径よりも500mmや1000mm規格などの大型ユニットを選定するのが一般的です。流量とろ過能力のバランスを取ることが、安定運転の重要なポイントといえます。
選定したフィルターユニットの配管接続口については、その位置や口径を事前に確認しなければなりません。基本的には本体の口径に合わせて配管サイズを決定しますが、接続先となる主要配管や他機器とサイズが異なる場合は、システム全体で統一を図る必要があります。
その際、配管内径と流速の関係を流量表などで照合し、過度な流速に伴う圧力損失や摩耗を防がなくてはなりません。プロセス全体を見据えた適切な口径選定が重要です。
流体が配管やフィルターを通過する際、摩擦や抵抗によって必ず圧力損失(差圧)が発生します。この差圧は入口側と出口側の圧力差として計測され、数値が増大するとポンプやブロワーへの負荷が高まり、システム全体の効率低下を招きかねません。損失を最小限に抑えるには、配管長を可能な限り短縮し、エルボや継手といった曲がり箇所を減らす設計が重要です。
また、状況に応じて内径に余裕のある配管サイズを採用することも、圧力損失の低減に有効といえます。
フィルターユニットや配管の材質選定にあたっては、処理流体の腐食性、温度、粘度、密度といった化学的特性に加え、設置環境(屋内・屋外、耐食性要求)への配慮が欠かせません。一般的にはステンレス鋼(SUS304、SUS316/316L)や、樹脂製のPVC、CPVC、PPなどが広く採用されています。
特に食品・医療用途においては衛生面が重視されるため、SUS316Lに代表される洗浄性に優れた材質や構造の採用が不可欠です。
安定した運用のためには、フィルターエレメント交換や配管洗浄が容易に行える設計が不可欠です。十分なメンテナンススペースを確保した上で、ドレンやバルブ、掃除口を適切に配置しなければなりません。
また、据付作業においては、機器の施工要領書に従い、配管の支持方法や乾燥窒素ガスなどによるエアパージを正しく実施することが重要です。施工性を考慮しておくことが、将来的なトラブル防止と保守性の向上につながります。
フィルターユニットは、流体中の不純物を確実に除去することで、製品品質の向上と後続設備の保護を担う重要な装置です。ハウジングやエレメント、配管を一体化したユニット化により、現場での設置や交換作業の効率を高められます。適切なシステム構築には、流量や精度に基づくユニット選定に加え、流体特性に応じた材質選びが不可欠です。
また設計段階から、圧力損失を抑える配管構成やメンテナンス性の確保に配慮しなければなりません。導入時の精緻な選定から運用を見据えた設計、そして保守性の確保までをトータルで最適化することが、設備の長寿命化と安定稼働を実現する鍵です。
当メディアは加工管メーカーを特集したメディアです。新規導入や入れ替えを検討している方は是非お役立てください。
加工管メーカー探しをサポートする本メディア「カコチョイス」では、他にも機能別で配管設備の基本知識をまとめています。併せてご覧ください。
引用元:シンテック公式HP
https://shin-tech.jp/business/prefab/
継手内側の保護層を一体で成形した構造を採用。内側に保護層を重ねる従来の継手と違い、洗浄しても浮きや剥がれが起きない。剥離片による異物混入や製品の廃棄を防ぐ。
| 対応材質 | 鋼管、ステンレス、ポリエチレン、ナイロン、硬質塩化ビニル |
|---|---|
| 加工技術 | つば出し・バーリング・ルーズフランジ・ネジ切りなど |
引用元:ノーラエンジニアリング公式HP
https://www.nowla.co.jp/
溶接を使わないつば出し加工とフランジ接合で、強度の高い継手構造を採用。消防認定※を受けた継手部が高い密着性を確保することで、瞬間的な加圧でも破裂や漏れのリスクを抑えられる。
| 対応材質 | 鋼管、ステンレス、ライニング管 |
|---|---|
| 加工技術 | つば出し·溶接·ネジ切り·フランジ·グルービングなど |
引用元:カワトT.P.C.公式HP
https://www.kwt-tpc.co.jp/prefab/
止水栓と継手を一体化した構造で、本来現場で行う締め付け作業が不要。ワンタッチ接続のため、配管を差し込むだけで固定できる。体が入りにくい狭い場所でも、工具を使わず短時間で施工することが可能。
| 対応材質 | ポリエチレン、ポリブテン、エルメックス樹脂管 |
|---|---|
| 加工技術 | 曲げ加工·切断加工·継手組込みなど |
※参照元:ノーラ・エンジニアリングHP(https://www.nowla.co.jp/download/certificate.php)