配管は壁内や床下など目に見えない場所に敷設されることが多く、異常に気づいた時点で生産停止や漏水、製品品質の不具合へ発展しているケースが少なくありません。壊れてから直す事後保全では、ダウンタイムと修繕コストの両方が跳ね上がります。
配管の予防保全(PM:Preventive Maintenance)は、故障が起きる前に点検と処置を前倒しで行い、安定稼働と品質を守る保全アプローチです。重要ラインであるほど、予防保全を計画に組み込む価値は大きくなります。
配管運用で押さえたい3つの保全アプローチを整理します。
| 用語 | 考え方 | 配管での例 |
|---|---|---|
| 事後保全 | 故障してから対処する | 漏水発生後に該当区間を補修する |
| 保全予防 | 設計段階で壊れにくくする | 耐食材質や更新しやすい取回しを採用する |
| 予防保全 | 運用中に予防処置を打つ | 定期点検・部分更新・加工管のリプレイスを計画する |
予防保全には、時間基準(TBM)、利用基準(UBM)、状態基準(CBM)、予知保全(PdM)、故障発見保全(FFM)の5つがあります。配管では、劣化が読みやすい区間はTBM、圧力や流量を計測できる区間はCBMといった使い分けが現実的です。
月1回を目安に、運用担当者が現場で確認する項目です。
年1〜2回は専門業者に依頼し、日常点検では届かない内部状態まで踏み込みます。
センサーとIoTで振動・温度・流量を常時監視し、AIで予兆を検知する予知保全も選択肢に入ってきました。ただし学習には過去の故障履歴データが必要で、導入前にデータ蓄積の前提を整える段取りが求められます。
点検で見つかる典型的な症状は、内面腐食、スケール付着による流量低下、継ぎ手の緩みや微小漏れです。放置すれば漏水・生産停止・製品品質の不具合、さらには安全リスクへ直結します。
金属配管では内面腐食や錆、スケールによる閉塞が主な課題です。一方、樹脂配管は熱や紫外線による経年劣化、ひび割れ、継手部のクリープ劣化が起きやすく、点検観点が変わります。扱う材質に応じた視点で症状を見分ける必要があります。
補修を重ねても状況が改善しない段階では、部分更新や加工管ごとのリプレイスがトータルコストと安全性の両面で有利になります。以下の観点で自社ラインを棚卸しすることが重要です。
加工管メーカーへ問い合わせる際は、次の項目を確認すると自社要件と照合しやすくなります。
配管の予防保全は、点検サイクルの設計と劣化症状の早期把握が基本です。そのうえで、老朽化が進んだ加工管は補修による延命と計画的なリプレイスを組み合わせると、ダウンタイムとコストを同時に抑えられます。次のリプレイス検討では、加工管メーカーへ早めに相談し、材質・加工精度・納期体制を含めた提案を受けることが、現場の安定稼働につながる一歩になります。
引用元:シンテック公式HP
https://shin-tech.jp/business/prefab/
継手内側の保護層を一体で成形した構造を採用。内側に保護層を重ねる従来の継手と違い、洗浄しても浮きや剥がれが起きない。剥離片による異物混入や製品の廃棄を防ぐ。
| 対応材質 | 鋼管、ステンレス、ポリエチレン、ナイロン、硬質塩化ビニル |
|---|---|
| 加工技術 | つば出し・バーリング・ルーズフランジ・ネジ切りなど |
引用元:ノーラエンジニアリング公式HP
https://www.nowla.co.jp/
溶接を使わないつば出し加工とフランジ接合で、強度の高い継手構造を採用。消防認定※を受けた継手部が高い密着性を確保することで、瞬間的な加圧でも破裂や漏れのリスクを抑えられる。
| 対応材質 | 鋼管、ステンレス、ライニング管 |
|---|---|
| 加工技術 | つば出し·溶接·ネジ切り·フランジ·グルービングなど |
引用元:カワトT.P.C.公式HP
https://www.kwt-tpc.co.jp/prefab/
止水栓と継手を一体化した構造で、本来現場で行う締め付け作業が不要。ワンタッチ接続のため、配管を差し込むだけで固定できる。体が入りにくい狭い場所でも、工具を使わず短時間で施工することが可能。
| 対応材質 | ポリエチレン、ポリブテン、エルメックス樹脂管 |
|---|---|
| 加工技術 | 曲げ加工·切断加工·継手組込みなど |
※参照元:ノーラ・エンジニアリングHP(https://www.nowla.co.jp/download/certificate.php)