電縫鋼管(ERW管)は、私たちの身近な配管や建築設備をはじめ、さまざまな産業分野で利用されている代表的な鋼管です。高周波溶接による効率的な製造方法と安定した品質を特長とし、コスト面でも優れています。この記事では、電縫鋼管の基本的な仕組みから特長、用途までをわかりやすく解説します。
電縫鋼管(ERW管:Electric Resistance Welded Pipe)とは、帯状の鋼板を連続的に丸めて円筒形に成形し、その突き合わせ部分を電気抵抗溶接によって接合した鋼管です。溶加材を使用せず、母材同士を直接接合するため、寸法精度や肉厚の均一性に優れています。配管用、構造用、機械部品など用途は幅広く、品質の安定性と量産性の高さから、一般的に使用されている鋼管の一つです。
電縫鋼管では、高周波電流を利用した抵抗溶接が採用されています。成形された鋼板の突き合わせ部に高周波電流を流すと、電気抵抗によって接合部のみが瞬時に加熱されます。
その状態で外部から圧力を加えることで、加熱された金属同士が一体化し、強固な溶接部が形成されます。この接合法は加熱範囲が限定され、溶接速度が速く、母材の特性を損ないにくい点が特長です。
電縫鋼管の製造では、電極を直接当てる方式ではなく、コイルによって高周波電流を鋼板に誘導する加熱方式が用いられます。高周波電流は表皮効果と近接効果により、鋼板の突き合わせ端面に電流が集中して流れます。
その結果、管全体ではなく端面部分のみが効率よく加熱されるという仕組みです。非接触で加熱できるため設備の摩耗が少なく、安定した連続生産が可能となります。
高周波抵抗溶接では、鋼板端面を完全に溶融させるのではなく、接合に必要な最小限の加熱状態に保ったうえで圧力を加えて接合します。
加熱された端面同士を強く押し付けることで、塑性変形を伴いながら金属組織が一体化し、健全な溶接部が形成されるという原理です。溶接欠陥が発生しにくく、母材の材質特性を維持した高品質な鋼管が得られます。
電縫鋼管は、アーク溶接管のように溶接棒や溶剤を使用せず、高周波電流と圧力のみで接合する点が大きな特長です。溶接金属の盛り上がりである溶接ビードが小さく、鋼管の内面・外面ともに平滑で美しい仕上がりになります。
内面ビードの処理が容易で、流体抵抗が小さいことから配管用途に適しており、外観品質を重視する構造用途や機械用途でも高く評価されています。
電縫鋼管は、帯状鋼板の成形から溶接までを連続ラインで行う製法のため、生産速度が非常に速いことが特長です。高周波抵抗溶接は加熱時間が短く、溶接後の冷却や後処理も最小限で済みます。設備の稼働効率が高く、大量生産に適しています。
結果として一本あたりの製造コストを抑えることができ、安定した品質の鋼管を低コストで供給できる点が大きなメリットです。
電縫鋼管は、鋼板を精密に成形しながら溶接するため、外径や肉厚のばらつきが少なく、寸法精度に優れています。
また、高周波溶接は溶融を最小限に抑えるため、薄肉材でも溶接部の変形や焼けが生じにくく、安定した製造が可能です。軽量化が求められる配管や構造用途に適した薄肉管の製造に強みを発揮します。
電縫鋼管は、一般配管用鋼管(SGP)の代表的な製品として広く普及しています。主な用途は、給水・給湯、空調、消火設備、ガス配管などです。
特に建築設備分野で幅広く使用されています。内面が比較的平滑で流体抵抗が小さく、施工性にも優れるため、ねじ切りや継手加工にも適しています。長年の使用実績があり、汎用配管材として高い信頼性を確立しています。
電縫鋼管は配管用途にとどまらず、自動車部品、熱交換器、建築・土木の構造用部材など、多様な分野で採用されています。寸法精度が高く薄肉管の製造に適しているため、自動車のフレーム部材や補強部品、熱交換器用チューブとして利用可能です。
また、外観が良好で品質のばらつきが少ないことから、構造用途においても安定した性能を発揮し、設計の自由度向上に貢献しています。
電縫鋼管は、主に中低圧用途を想定して使用される鋼管であり、一般配管や構造用途では高い実績を持っています。
一方で、溶接継ぎ目を有する構造上、シームレス管と比較すると、極めて高い圧力や高温条件下での使用には一定の制約があります。使用圧力や温度、流体の性質、設置環境などを十分に考慮し、規格や設計条件に適合した鋼管を選定することが重要です。
電縫鋼管(ERW管)は、帯状鋼板を成形し、高周波電流と圧力で接合する鋼管です。高速生産による低コスト、寸法精度の高さ、薄肉管への適性が特長で、SGPをはじめ一般配管や建築設備に広く用いられています。
自動車部品や熱交換器、構造用にも採用されますが、中低圧用途が中心のため、使用条件に応じた適切な選定が重要です。
当メディアは加工管メーカーを特集したメディアです。新規導入や入れ替えを検討している方は是非お役立てください。
加工管メーカー探しをサポートする本メディア「カコチョイス」では、他にも製法別で鋼管の基本知識をまとめています。併せてご覧ください。
引用元:シンテック公式HP
https://shin-tech.jp/business/prefab/
継手内側の保護層を一体で成形した構造を採用。内側に保護層を重ねる従来の継手と違い、洗浄しても浮きや剥がれが起きない。剥離片による異物混入や製品の廃棄を防ぐ。
| 対応材質 | 鋼管、ステンレス、ポリエチレン、ナイロン、硬質塩化ビニル |
|---|---|
| 加工技術 | つば出し・バーリング・ルーズフランジ・ネジ切りなど |
引用元:ノーラエンジニアリング公式HP
https://www.nowla.co.jp/
溶接を使わないつば出し加工とフランジ接合で、強度の高い継手構造を採用。消防認定※を受けた継手部が高い密着性を確保することで、瞬間的な加圧でも破裂や漏れのリスクを抑えられる。
| 対応材質 | 鋼管、ステンレス、ライニング管 |
|---|---|
| 加工技術 | つば出し·溶接·ネジ切り·フランジ·グルービングなど |
引用元:カワトT.P.C.公式HP
https://www.kwt-tpc.co.jp/prefab/
止水栓と継手を一体化した構造で、本来現場で行う締め付け作業が不要。ワンタッチ接続のため、配管を差し込むだけで固定できる。体が入りにくい狭い場所でも、工具を使わず短時間で施工することが可能。
| 対応材質 | ポリエチレン、ポリブテン、エルメックス樹脂管 |
|---|---|
| 加工技術 | 曲げ加工·切断加工·継手組込みなど |
※参照元:ノーラ・エンジニアリングHP(https://www.nowla.co.jp/download/certificate.php)